仲介業者は大企業か中小企業どちらが有利なのか?

マンションなど不動産を売却する際に依頼する仲介業者には、全国規模の不動産会社と中小企業の不動産会社があります。中には株式会社ではなく、有限会社で営業している会社も少なくありません。

世の中の風潮としてビジネスは大企業が有利で、小企業は不利との印象がありますが、不動産売買ではそれは当てはまらないかもしれません。

人気物件は大企業でも中小企業でも瞬時に売れる

不動産の売買は人気によって大きな差が出てきます。例えば人気のエリアで駅から5分以内の物件なら、既に探している顧客が何人もいて、即座に販売が完了することがあります。

特に都内の人気エリアでは不動産会社の顧客から、「この条件で探して下さい」と依頼されているケースもあり、不動産会社は価格を調整するだけで販売を完了できることになります。つまり、人気の物件であれば不動産会社の規模は全く関係ないのです。

小さな不動産会社であっても顧客は大企業と同じ数

不動産会社と媒介契約を結ぶと、まず「レインズ」と呼ばれる国土交通省が設立した「不動産情報ネットワーク」に物件の情報を登録します。基本的に良い仲介業者は全てレインズを利用し、検索を行って売主と買主のマッチング業務を行っています。

つまりレインズを利用している限り、大企業であっても小企業であっても条件は同じであり、マッチング率もさほど変わりはありません。それよりも担当者の仕事ぶりによって大きな差が出てしまうことになります。

大企業でも中小企業でも利用するツールは同じです。まずは担当者の人間性を確認して、一生懸命探してくれる人を選ぶことが大切です。

大企業の落とし穴「レインズは利用しない」の訳

大企業の中には仲介している物件情報を、レインズに登録しない会社があります。その理由は仲介手数料であり、業界用語の「両手」「片手」に関係しています。

【仲介手数料】

仲介手数料とはマンションなどの物件を仲介販売した場合に、売主や買主から貰う手数料のことです。一般住宅であれば「仲介手数料=販売価格×3%+6万円」に消費税がかかる金額で、3000万円で売却したケースでは約103万円が仲介手数料になります。

【両手と片手】

仲介手数料は売主、買主双方がそれぞれ依頼した仲介業者へ支払うことになります。例えば売主がA不動産に仲介を依頼し、レインズでB不動産が買主を見つけた場合、売主はA不動産に買主はB不動産にそれぞれ仲介手数料を支払います。この場合、A不動産もB不動産も受け取る仲介手数料は片方からなので「片手」と呼びます。

それではA不動産が自社の顧客の中で、買主を見つけた場合ではどうでしょうか?売主も買主もA不動産が仲介しているので、双方から仲介手数料を受け取ることができます。これを「両手」と呼ぶのです。

先程の例では片手であれば103万円ですが、両手では206万円もの仲介手数料を受け取ることができるので、仲介業者にとっては魅力的な取引です。

【大手不動産がレインズを利用しない訳】

このように片手と両手では仲介手数料に大きな違いが出てきます。大手不動産会社は自社で大きなネットワークと顧客名簿を保有していることから、片手取引に繋がるレインズへの登録を敬遠し両手取引に誘導します。しかし、需要のある物件では直ぐに買主が見つかるでしょうが、そうでない物件ではレインズに掲載されないことで長期間の売れ残り物件になる可能性があります。

基本的に仲介業者は大企業、中小企業であってもレインズを利用する以上、大きな差はありません。しかし仲介業者を選択する際には、レインズへの登録の有無と、履行されているかの確認を行うことが大切です。